QJリニューアルと18歳の頃の思い出話
少し長い、10年前の思い出話。
大学附属の高校に通っていた私は大学受験が無かったので、
高3の終わりから大学卒業まで4年半くらい渋谷の本屋でアルバイトをしていた。
今は無くなってしまったが、私がバイトしていた渋谷店は全国で最も店舗数の多い大型書店の1店舗で、当時は渋谷エリアの本屋の中でも最大の坪数を誇った。
例えばスポーツ雑誌でも、トレーニングの話題と、アイドル選手の特集とでは購入層が全然違う。同じ登録ジャンルの雑誌でも近い内容のものから順に並べて、グラデーションを作るのが密かなこだわりだった。
まさに”本物の「ケータイ・アフター世代」”として、つまり現役女子高生として制服のまま登壇し、普段ケータイ(当時はもちろんガラケー)でどのようなコミュニケーションをしているかを、ざっくばらんにおしゃべりするというものだった。
ICC Online | モバイル社会シンポジウム2006「未来体験と交響する英知」
「先輩から絵文字ゼロのメーリス来ると、怒ってるのかなと思ってびびるよねー」
「仲良しグループで同じ着うたにしたりするから、誰と誰が仲いいとか分かる」
そんな話をした気がする。
今となっては化石のような会話…
私達にとっては、大げさにも言わず、割とリアルな話だったがセミナーを見に来ていたスーツの大人たちは、珍しげにふむふむと頷いてメモを取る人もいた。
私たちは”若者”で、大人たちに観察されていた。
それが、私が初めて自分を相対化した経験だった。
親が親であるように、先生がずっと先生であるように
私たちはその時、世の中においては「若者」という存在だと初めて自覚した。
それは、思春期の私にとっては結構なパラダイム・シフトだった。
「子ども(≒若者)と大人の境目はいつなのか。なんなのか。」
という議題が気になってしょうがなくなって、同じくこのシンポジウムでご挨拶した鈴木謙介さんの著書を読み、高校の図書室で見つけた刈谷剛彦さん編著の「いまこの国で大人になるということ」というタイトルの本に出会って、社会学というものがあるのかと知った。
そして、大学では社会学のゼミに入った。
学位までしかとってないので偉そうなことは言えないが、それはそれは興味深く本を読む大学生活だった。
Quick Japanの新装刊にあたって、巻頭に続木編集長の挨拶が載っていた。
キャッチコピーは「A VOICE OF NEW GENERATION」。
〜中略〜
実はこのキャッチコピーは1994年、クイック・ジャパンが創刊した当時、赤田祐一編集長が掲げたものです。
「ジャーナリズム」という言葉が「ニュー・ジャーナリズム」に変わったのが70年代。そこからさらに掘り下げ、”もっと現場に足を運んで若い人たちの声に耳を傾けよう”との思いからつけられました。
もやもやしていた思春期から10年経って、今号のクイック・ジャパンはなかなか面白い。
SEALDs奥田くんと古市憲寿さんの対談とか、
テレ東の奇抜さの特集とか、
いがらしみきお先生のシュールな新連載とか。。
まだまだ共感できるということは私は若者なのか。
あるいはもはや客観的にEDITされた記事を見てふむふむと思える時点で、若者じゃないのか。
そして”私達の世代”というものがあるとしたら、それはどんな世代なのだろうか。
これからどんな”世代”になっていくのだろうか。
世代ってなんだろう。。